「いつかは子どもが欲しいけれど、今はキャリアが大事」「子どもを持つ未来に憧れを抱くかもしれない」——。そんな思いを抱えながら、日々の忙しさに追われていませんか?
プレコンセプションケア(PCC)とは、将来の妊娠や出産を見据えて、性別や年齢を問わず自分の健康状態を整える取り組みのことです。しかしそれは、単なる「妊活の準備」ではなく、人生の選択肢を広げ、自分らしいライフデザインを描くための「自分への投資」です。
今回は、30歳を迎える前にチェックしたい、プレコンセプションケアの10のToDoリストをまとめました。当たり前と思われるものばかりかもしれませんが、だからこそ確実に実践していただきたいです。

1. 理想の人生を書き出してみる
まずは自分の理想とする人生を思い描いてみましょう。結婚、妊娠、出産だけでなく、昇進や独立など仕事に関することや、家族の介護が必要になるかもしれない時期なども書き出してみましょう。ここで意識してもらいたいのが、年齢と妊娠の関係性です。年齢が上がるほど、妊娠しづらくなり、妊娠や出産に伴う合併症のリスクも上がってしまいます。
2. 婦人科のかかりつけ医を持ちましょう
現代の女性は妊娠・出産の回数が減ったことで月経の回数が増えており、その分、月経トラブルを抱えやすくなっています。子宮内膜症など一部の病気では、将来の不妊につながることも。また早期発見が大切な子宮頸がんの患者数は20代になると増え、40代前半でピークに。ちょうど妊娠・出産を迎える世代と重なっています。定期的に子宮頸がん検診やHPV検査を受けることが大切です。
3. 感染症対策をしましょう
性行為によって感染が広がる性感染症のなかには、治療しないでいると不妊のリスクをあげるものがあります。一方、それらの多くはとくに女性で無症状のことが多く、感染に気づかないケースが少なくありません。パートナーが変わってから一度も検査をしていないのであれば医療機関で検査を受け、必要であれば早めに治療することが大切です。
また、妊娠中に感染すると、赤ちゃんの健康に影響を与える感染症があります。その多くは予防接種によって防ぐことができますが、風疹・麻疹(はしか)・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)・水痘(水ぼうそう)などの生ワクチンは、妊娠したあとでは接種できません。子どもの頃のワクチンの効果が切れている人もいますので、医療機関で予防接種が必要かを調べるとよいでしょう。
4. 健康診断を受けましょう
職場などで実施される健康診断は必ず受けましょう。妊娠前から生活習慣病を抱えていると、妊娠経過や赤ちゃんの健康に影響を与えることがあります。さらに、胎児の発育不全や周産期死亡のリスクも大幅に抑えることができます。たとえば、もし糖尿病が妊娠前にわかったとしても、妊娠前からの適切な管理によって、赤ちゃんの先天異常のリスクを71%も減少させることが明らかになっています(1)。
5. 適正体重をキープしましょう
いま日本の20代女性の5人に1人が「やせ型」と言われています(2)。やせ型の女性から生まれる赤ちゃんは生まれたときの体重が基準値に満たない低出生体重児になるリスクが高く、大人になってから生活習慣病になりやすいことがわかっています。加えて、やせている女性は年を重ねてから骨折しやすく、介護が必要になる人もいます。一方で、肥満はさまざまな妊娠中の合併症を引き起こすことがわかっています。適正体重の維持には、バランスの取れた食事が欠かせません。1日に2回以上は主食(握りこぶし1個程度)・主菜(片手のひら1杯分程度)・副菜(両手のひらいっぱい程度)のそろった食事が摂れると理想的です。
6. 積極的に運動をしましょう
適正体重の維持には運動も欠かせません。世界保健機関(WHO)などでは、軽く息が上がる程度の運動を週に150分以上行うことを推奨しています(3)。実際に運動習慣がある人とない人を比べたときに、運動習慣がある人のほうが妊娠率が高くなるといった研究結果も出ています(4)。
7. 禁煙しましょう
喫煙はがんなどの疾患だけでなく、男女ともに不妊症のリスクを上昇させます。特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産、早産、周産期死亡、低体重の要因となることがわかっています。産後は喫煙が乳幼児突然死症候群のリスクを高めます。妊娠前に禁煙に取り組みましょう。WHOは妊娠中の電子タバコの使用もリスクがあるとしています。
8. お酒は控えましょう
飲酒習慣がある女性はない女性と比べて、妊娠のしやすさが下がることがわかっています(5)。加えて妊娠中にお酒を飲むと、先天性異常や発達障害などを引き起こす胎児性アルコール症候群を発症することがあります。「この量なら大丈夫」という基準はいまのところわかっていません。妊娠を考えたら、アルコールは控えるようにしましょう。付き合いで飲む必要があるときも、「最初の一杯まで」にできるとよいでしょう。
9. 定期的な歯科検診を受けましょう
妊娠中に歯周病があると、早産・低出生体重・妊娠糖尿病のリスクが高くなることが、世界中の多くの研究をまとめた調査で示されています(6)。だからこそ、妊娠前から口の健康を整えておくことが大切です。妊娠中は治療に制限が出ることもあるため、妊活中のうちに一度、歯科検診を受けておくと安心です。
10. 持病があるなら妊活前に主治医に相談を
持病のある人は妊娠すると、病気が悪化することがあります。また赤ちゃんへの影響を考慮して、薬の変更が必要なこともあります。妊活を始める前にあらかじめ主治医や産婦人科医と相談することで、妊娠が持病に与える影響について理解し、リスクを減らすことが大切です。もしまだ具体的な妊活のスケジュールが決まっていなくても、将来的に妊娠を希望するのであれば、そのことを主治医に伝えておくとよいでしょう。
専門家からのアドバイス
医学的に、妊娠には年齢という避けられない要素があるのは事実です。しかし情報を得ることで、不安を「具体的な課題」に変えていくことができます。あなたが選ぶどんな未来も、あなたの健康という土台があってこそ輝きます。まずは、自分の身体をいたわることから始めてみませんか?
※編集部より
からだの変化や不調に向き合うとき、日々の食事・運動・睡眠や働き方など、暮らし全体を見直したくなることがあります。
ピアコネは、食事・運動・睡眠から、子育て・妊活・働き方まで、多様な企業と連携しながら、あなたの“こうなりたい”を応援するウェルビーイング実現応援サービスです。
独自のポイントプログラムで、パートナー企業のサービス利用やギフトへの交換もできます。
自分らしい日常づくりのヒントとして、気になる方はぜひチェックしてみてください。
ピアコネ登録はこちら
引用・参考文献
(1)日本糖尿病学会(編). (2024). 17 妊婦の糖代謝異常. 糖尿病診療ガイドライン 2024 (pp. 370-385). 南江堂.
(2)厚生労働省. (2024). 令和4年国民健康・栄養調査結果の概要. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66279.html
(3)World Health Organization. (2020). WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour. https://www.who.int/publications/i/item/9789240015128
(4)Mena, G. P., Mielke, G. I., & Brown, W. J. (2019). The effect of physical activity on reproductive health outcomes in young women: a systematic review and meta-analysis. Human reproduction update, 25(5), 541–563. https://doi.org/10.1093/humupd/dmz013
(5)Fan, D., Liu, L., Xia, Q., Wang, W., Wu, S., Tian, G., Liu, Y., Ni, J., Wu, S., Guo, X., & Liu, Z. (2017). Female alcohol consumption and fecundability: a systematic review and dose-response meta-analysis. Scientific reports, 7(1), 13815. https://doi.org/10.1038/s41598-017-14261-8
(6)Machado, V., Ferreira, M., Lopes, L., Mendes, J. J., & Botelho, J. (2023). Adverse Pregnancy Outcomes and Maternal Periodontal Disease: An Overview on Meta-Analytic and Methodological Quality. Journal of Clinical Medicine, 12(11), 3635. https://doi.org/10.3390/jcm12113635
