「生理があるから健康」とは限りません。自分の生理の状態を正確に知ることは、将来の妊娠だけでなく、キャリアや自分らしい生き方の実現にとっても重要です。今回は、医学的に「正常な生理」の基準と、今すぐできるチェック方法をお伝えします。
数字で見る「正常な生理」の目安
日本産科婦人科学会では、正常な生理を以下のように定義しています(1)。

※1:生理が始まった日を1日目と数え、次の生理が始まる前日までの期間のこと
※2:生理の出血が続いている期間のこと
ご自身の直近3ヶ月の記録と照らし合わせて、どうでしょうか?生理周期が毎回1週間以上ずれる場合や、期間が極端に短い・長い場合は、排卵トラブルや子宮•卵巣の病気が隠れていることもあり、そのままにしておくと将来的に不妊のリスクが高まることもあります(2)。
「痛み」を放置しない理由
生理では周期・期間・量だけでなく、痛みも重要なポイントです。生理痛は個人差が大きいものですが、痛みが原因で学校や仕事を休むなど日常生活に支障がある場合は、「月経困難症」による治療の対象となります。
そして、生理痛は女性だけでなく、カップル2人の問題になることも。生理痛には子宮内膜症などの病気が隠れている場合があります。子宮内膜症の人の30~50%の人が不妊を併発すると報告されています(3)。
さらにいま、生理は社会問題にもなっています。生理による経済損失は日本全体で年間約6,000億円と試算されています(4)。痛みなどの不調が労働生産性を下げたり、症状があってもがまんすることで病気が悪化して医療費が高くなったり、仕事との両立が困難になってキャリアを諦めざるを得なかったり…。生理の苦痛をがまんすることは美徳ではなく、自分にとっても、カップルにとっても、社会にとってもリスクになるのです。
まずは3ヶ月、記録を取ってみよう

ご自分の生理の状態がわからない人は、まずは3ヶ月間、生理を記録しましょう。生理周期や期間はもちろん、痛みの具合や気分の落ち込み、肌荒れ、五百円玉以上の大きさの血の塊なども一緒に記録してください。受診すべきかの判断材料になるだけでなく、医師の診察の助けにもなります。
専門家からのアドバイス
生理は、あなたのコンディションを教えてくれる大切なサインです。将来の妊娠を望む•望まないに関わらず、あなたがあなたらしく最高のコンディションで毎日を過ごすために、今身体に関心を持ってもらえたら嬉しいです。自分の体を知ることは、人生を主体的に選ぶための「自分へのエンパワーメント」になるはずです。
引用•参考文献
(1) 日本産婦人科医会. (2017, May 17). 正常な生理(月経)の目安を教えてください! 女性の健康Q&A. https://www.jaog.or.jp/qa/youth/qashishunki5/(2026年1月16日アクセス)
(2)日本産科婦人科学会. (2020). 産科・婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編 2023.
(3)日本産婦人科医会. (2019). (4)子宮内膜症性不妊への対応. 研修ノート No.102 子宮内膜症・子宮腺筋症. https://www.jaog.or.jp/note/%EF%BC%884%EF%BC%89%E5%AD%90%E5%AE%AE%E5%86%85%E8%86%9C%E7%97%87%E6%80%A7%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%BF%9C/(2026年1月16日アクセス)
(4)経済産業省. (2024). 健康経営における女性の健康課題への対応に係る経済損失の試算と健康経営の必要性について.
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/jyosei_keizaisonshitsu.pdf
