「生理痛はあって当たり前」「薬に頼るのは甘え」――。そんな言葉を自分に投げかけ、痛みに耐えていませんか?生理痛をがまんすることにメリットはまったくありません。 この記事では、生理痛の医学的知識と対策方法を解説します。

「生理痛は病気ではない」という誤解

生理痛は個人差が大きいですが、痛みによって学校や仕事を休むなど日常生活に支障がある場合には、「月経困難症」と診断されることがあります。実際、生理のある人の25%以上に月経困難症が認められるというデータもあります(1)。痛みの裏には子宮内膜症などの病気が隠れていることがありますが、一方で、目に見える病気がなくても生理痛がつらい人も多くいます。これは生理のときに発生するプロスタグランジンという物質が関係しています。プロスタグランジンは本来、子宮を収縮させることで経血を外に排出するのを助ける働きがあります。しかしその作用が強く働きすぎると、強い生理痛となってしまいます。

鎮痛剤の仕組みと、飲む「ベストタイミング」

市販の鎮痛剤(NSAIDs)は、プロスタグランジンが作られるのを抑えることで痛みを和らげます。そのため、痛くなってからではなく、痛くなる前に飲んだほうが効果的です。また「薬を飲むと癖になる」と思う人もいますが、そんなことはありません。痛みがピークに達してから薬を飲んでいるとしたら、服用時点でプロスタグランジンがすでに作られてしまっているために、薬の効きが悪いように感じているのかもしれません。

自分に合った鎮痛剤を選ぶ、3つの視点

市販薬には多くの種類があります。自分の体質や、その日の予定に合わせて選ぶのが「賢いセルフケア」です。

①自分が使用できる薬かを確認

15歳未満では、使える鎮痛剤がアセトアミノフェンかイソプロピルアンチピリンに限られます。またアセトアミノフェン、ロキソプロフェン、イブプロフェンなどは肝臓や腎臓に影響を与えやすい薬剤です。飲む前に必ず説明書きを読み、気になることがある人は必ず医師や薬剤師に相談してから飲むようにしましょう。

②優先したい効果に合わせて選ぶ

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイズ)はアセトアミノフェンと比べて、痛みを抑える効果が強く、その中でも最も効果を期待できるのがロキソプロフェンです。一方でアセトアミノフェンは痛みを抑える効果は穏やかですが、胃が痛くなりにくい特徴があります。

③主成分以外にも注目する

主成分以外にも注目してみましょう。市販薬の中には、鎮静成分(アリルイソプロピルアセチル尿素など)が含まれ、飲むと眠くなりやすいタイプがあります。「生理痛で眠れない夜」には助けになりますが、仕事中や運転前に飲む場合は、鎮静成分が入っていないものを選びましょう。

専門家からのアドバイス

生理痛の感じ方に「正解」はなく、痛みのものさしはあなたの中にしかありません。周りの人と比べて「自分はまだ軽い方だから」とがまんするのではなく、あなたが「つらい」と感じるのであれば、自分の生活をより良く、心地よくするために、ためらわず薬や医療を頼ってください。


自分の心や体がコントロールできない感覚は、とても怖く、時に孤独を感じるものです。

でもその苦しみは、医療の力を借りることで劇的に改善する可能性があります。「こんなことで相談していいのかな?」と思う必要はありません。些細なことでもぜひ、医療を頼ってみてください。


※編集部より
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引用•参考文献

(1)日本産婦人科医会. (n.d.). 月経困難症. https://www.jaog.or.jp/lecture/%E6%9C%88%E7%B5%8C%E5%9B%B0%E9%9B%A3%E7%97%87/(2026年1月18日アクセス)