前回は、「自分のリズム」と「キャリアのタイミング」が噛み合うかどうかで、同じ出来事でも“しんどさ”や“乗り越えやすさ”が大きく変わる、というお話をしました。 

今回はそこから一歩進んで、あなた自身の人生に起こりうるライフイベントを、いったん整理してみる回です。

ここからは、ちょっと立ち止まって自分の人生を少し離れたところから眺めてみる時間です。

それだけで、不思議と気持ちが軽くなることがあります。

■ 人生は、だいたい想定外でできている

ライフプランやキャリアプランを考える時、私たちはつい「◯歳で昇進して、◯歳で結婚して…」 と、一本のきれいな直線を思い描きがちです。

でも実際に起こる出来事はだいたいが想定外で、こちらの準備が整うのを待ってくれません。

● 仕事が落ち着いたと思ったら、異動の話が出る
● パートナーとの関係が急に進む、または揺らぐ
● 周囲の結婚・妊娠に、思った以上に心がざわつく
● 親の体調や環境が変わる
● 健康診断の結果に、初めて現実を突きつけられる
● 結婚してもなかなか妊娠できない
● 想定外のタイミングで妊娠した

このような予期せぬ体調の変化やライフイベントが起きたとき、一番辛いのは「どうして今なの?」と自分を責めてしまうことです。

そして準備がないまま判断を迫られる構造そのものが、しんどさ を生んでいるのです。

■ キャリアの選択肢を広げるために「想定外」を見える化してみよう

ここまで読んで、「じゃあ、今から何を決めれば/考えればいいんだろう?」と思った人もいるかもしれません。

今回行う“想定外の見える化”は、将来の選択を今ここで決めるためのものではありません。

大切なのは、「起こりうる出来事を、想像できる状態にしておくこと」。

見えていないものは、不安として心の中に溜まり続けます。

でも、言葉にして並べてみると、 想定外は「怖いもの」から「把握できるもの」に変わります。

それは、未来を縛るためではなく、 未来に振り回されすぎないための下準備。

そのくらいの距離感で十分です。 

■ まずは、ライフイベントを書き出してみる

紙でもスマホのメモでも構いません。「思いつくまま」で大丈夫です。

「自分に起こるかどうか分からない」ものも、全部含めてOKです。

例えば—— 

健康・家族
● 自分の体調やメンタルの変化
● 妊娠・出産・不妊治療の可能性
● 親の体調、将来的なサポート
● パートナーの仕事の変化(転勤による帯同、転職、異動、独立)

プライベート・人間関係
● パートナーとの関係の変化
● 結婚・同棲・離婚
● 周囲の結婚・出産による心境の変化
● 住む場所の変化、マイホームの購入

仕事・キャリアに関すること
● 昇進・昇格の可能性
● 異動や役割変更
● 転職・退職
● 働き方の変更(リモート、時短、副業など)
● 学び直しや資格取得

書き出した内容の中には、「これは自分には関係ないと思っていた」ものも含まれていたかもしれません。

でも、そうした出来事こそ、起きた瞬間に「想定外」になりやすいものです。

だから大切なのは、すべてに今すぐ答えを出すことではなく、「その時の自分なら、どうアプローチするだろう?」と、少しだけ考えておくことです。

それ自体が、ここで扱うプレコンセプション的な準備なのです。

すべてを決めておく必要はありません。

ただ、

・誰に相談できそうか
・ 仕事は一時的にどう調整できそうか
・ その時の自分にとって、何が一番負担になりそうか

ということを、ぼんやり思い浮かべておくだけでも大丈夫です。

そして、今できることがあるなら、ほんの少しだけ“根回し”しておくことをおすすめします。

たとえば、

・ 相談しやすい上司や同僚を意識しておく
・ 働き方の選択肢を、情報として集めておく
・ 自分が無理をしやすいタイミングを把握しておく

それだけで、 

想定外が起きたときのしんどさは、確実に変わります。 

■ 過去を振り返ると、「自分の傾向」が見えてくる

未来のことを整理することが苦手な方は、 少しだけ過去を振り返ってみてください。

● あの時、なぜあんなに迷ったのか
● なぜあの決断は比較的スムーズにできたのか
● しんどかった出来事は、どんなタイミングだったのか

第2回で触れた「自分のリズム」と「出来事のタイミング」を重ねてみると、 そこに一定のパターンが見えてくることがあります。

例えば—— 

忙しさのピークで大きな決断を迫られていた。

心や体に余裕がない時期だった。

そこに気付けるだけで、「自分は判断が弱い」「メンタルが弱い」という自責の見方から、一歩離れることができます。

■ まだ起きていないからこそ、「構え」をつくれる

「まだ起きていないのに考えるのは、不安を煽るだけ」 そう感じる人もいるかもしれません。

でも実は逆で、見えないままにしておく方が、不安は膨らみ続けます。

今回行ったようなライフイベントの棚卸し作業は、不安を増やす作業ではなく、不安を“扱える大きさ”に自分ごと化する作業です。

そうやって少し構えをつくっておくことで、想定外が起きても、キャリアが一気に折れてしまうことを防げます。

※編集部より

将来に備えて今の土台を整えるという考え方は、
キャリアや健康だけでなく、「お金」の視点からも広がりを見せています。

All Rightは、ninpath(ニンパス)と連携し、
将来こどもを望む方のための「おかねの相談」サービスを、ピアコネを通じて提供しています。

将来の選択肢を狭めないための“今できる準備”として、ライフプランとともに
ぜひチェックしてみてください。

ピアコネ登録はこちら:liff-ca-uat.peer-conne.jp/?company_id=C0014_Media

✦ 明日からできる!未来の自分をラクにするミニチェック

□「もし1か月お休みすることになったら?」と、ゆるく想像してみましょう。
(具体的に困りそうなことをメモするだけで、対策が見えてきます)

□ 会社の福利厚生や、利用できる公的なサポートを1つだけ調べてみよう。
(「知っている」だけで、不安の半分は消えていきます)

□「私にとって、これだけは譲れないこと」を3つだけ選んでみよう。
(優先順位が決まると、想定外の事態でも判断が早くなります)

✦ プチQ&A

 Q:いろいろ起こり得そうなライフイベントを書き出していくと、キャリアプランを立てるのが怖くなりました。

どうせ予定通りにいかないなら、立てないほうがいいですか?

A:そんなことはありません!プランは「絶対守るもの」ではなく、「今の自分がどっちに向かいたいかを確認するためのコンパス」です。

目的地(=こうありたい自分)さえ決まっていれば、途中 で道が通行止めになっても、回り道を探せます。

プランがあるからこそ、「予定変更」にも気づける。

そんな気楽な気持ちで、未来を描いてみてくださいね。

■ 次回は「整えておきたい土台」の話へ

第4回では、ここまでで見えてきた「今すぐ全部はできなくても、ここだけは整えておきたいこと」つまり、人生とキャリアの“土台”を扱います。

頑張る準備ではありません。人生を少しラクにするための、現実的な話です。

ここまで来たあなたは、もう十分に前倒しで自分の人生を見つめる視点を手に入れています。

次回も、ぜひ一緒に進んでいきましょう。