結婚や妊娠を控えた今、“ブライダルチェック”は単なる健康診断ではなく、将来の不妊リスクを減らすための予防ケアとしても注目されています。本記事では、専門家監修の情報をもとに、結婚・出産準備としてのチェック項目に加えて、“不妊予防型”の視点からプラスαの検査内容と活用方法をご紹介します。
① ブライダルチェックの目的
ブライダルチェックとは、結婚前後や妊娠前に、健康な妊娠を迎えるために必要な体の状態を確認する健診です。子宮頸がん検診、性感染症検査、ホルモン・超音波などの項目が含まれ、1回で総合的にチェックできるのが特徴です。
メモ:プレコンセプションケア=妊娠前の予防的健康管理
② 「将来の不妊リスク」も意識した検査とは?
従来のブライダルチェックに加え、将来や不妊につながりやすいリスクを早期に知ることで、“未然に備える”検査に進化しています。
主な追加検査
検査項目 | 意義 | 不妊リスクとの関連 |
AMH検査 | 卵巣の“予備能”を測定 | 卵子が減る前に予防プランを検討 |
甲状腺ホルモン(TSH, FT4) | 排卵・流産リスクと関連 | 異常があれば早期対応が可能 |
プロラクチン | 乳汁分泌のホルモン | 高値は無排卵リスクあり |
膣内細菌/STD検査 | クラミジアなど感染有無 | 子宮卵管炎から不妊の原因に |
男性の精液検査 | 精子の数・運動率 | 不妊要因が男性側にある可能性も |
これらを包括的にチェックする「不妊予防型ブライダルチェック」は、ご夫婦で受けることで将来への備えが一層強化されます。
③ 男女ペアで受けることのメリット
不妊原因は約半数が男性側にあるともされており、男女ペアで検査を受けることが重要です。
男性の精液検査や風疹などの免疫状態も把握でき、相互理解と協力の第一歩といえるでしょう。
④ 不妊リスクを踏まえたライフプラン設計
長期的な備えとして、以下のように段階的に取り組むのがおすすめです:
- 20代前半
- 基本ブライダルチェック+AMH検査
- フォローアップに備え、基礎体温や生活習慣の見直し
- 20代後半
- 異常があれば、卵子凍結の検討など選択肢を追加
- パートナーとともに、キャリアや休職プランを相談
- 30代前半以降
- より詳細な不妊検査(卵管造影など)を検討
- 費用面や治療スケジュールの調整のためファイナンシャル・プランナーに相談
これにより、“漠然とした不安”ではなく、エビデンスと具体的な生活設計に基づく行動が可能となります。
⑤ まとめ&アクションリスト
- 早めの検査を:20代後半から不妊リスクも視野に入れて
- 検査項目を拡張:AMH、甲状腺、プロラクチンなども追加
- カップルで受診を:男性側の視点も同時にフォロー
- 定期的にプラン見直し:年齢やライフステージに応じた再設計を