「まだ結婚していないけど、いつか子どもはほしい」
そう思っている人は、実はすごく多い。私もそのひとりでした。でも、それは“いつか”の話で、“今”の話ではない。そんな私が、ある日東京都が行っているプレコンセプションケアのプログラム「プレコンゼミ」を受けました。
「自分のからだのこと、ちゃんと知ってみようかな」
そんな軽い気持ちで参加したその経験が、私の考え方を、そしてこれからの人生の選び方を、大きく変えていくことになりました。

プレコンセプションケア(通称:プレコン)は、妊娠を希望する・しないに関わらず、将来のために自分のからだの状態を知り、ライフプランを考えるアクションのこと。「無料で自分のからだの検査が受けられる」「専門家の講義が聞ける」とのことで申し込んでみました。

オンラインの講習会では、からだの仕組みや妊娠・不妊の基礎知識を動画やスライドで学びました。
その中でも一番印象に残ったのが、「AMH(抗ミュラー管ホルモン)」という指標。自分の卵巣機能の目安が、血液検査でわかるのです。

無料で自分の体のことがわかる。機会を提供してくれる東京都に感謝です。

結果が届いた日。封を開けて目にしたのは、「同年代の平均より低い値」。思ってもみなかった結果なので少し涙が出ました。

一瞬、頭が真っ白になった。「どうしよう?」
でも、すぐにこう思った。「でも今、知れてよかった!」

今すぐどうこうじゃないけど、将来のことをちゃんと話しておきたくて周りの人にも話をしました。
キャリアのこと、経済的なこと、家族を持つということ。実現するために今なにができるだろう?
それまで“いつか”と思っていた話題が、“いま話すべきこと”に変わりました。

プレコンは、「妊娠したい人」だけのものではない。
プレコンは、「未来を選べる自分」でいるための知識。
自分のからだを知ることは、自分を大事にすること。
誰かのためじゃなく、自分自身の未来のために必要なことだと思いました。

この経験を通して、私は“自分のからだに向き合う”という感覚を初めて持てた。
そして、「この感覚をもっと多くの人に届けたい」と思うようになった。

だから今、n/(エヌスラッシュ)の編集長として、プレコンの情報をやさしく、わかりやすく届ける発信を始めています。誰かが「知ってよかった」と思える瞬間のために、その“知る”の一歩が、誰かの未来を守ることにつながることを願っています。

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