はじめまして!妊活・不妊治療をサポートする株式会社ninpathが運営するメディア「n/(エヌスラッシュ)」編集長の森陽菜です。「妊活」と聞くと、もしかしたら、 “今すぐ子どもがほしい人のためのもの”というイメージを持つ方もいるかもしれません。
でも私自身、結婚もしていないし、今すぐ子どもを産む予定もありません。
ただ、将来いつか子どもを持ちたいという希望は、ずっと心のどこかにあります。そんな私が今このメディアを立ち上げることにしたのは、まさに「プレコンセプションケア=妊娠前の健康管理・人生設計」の大切さを自分ごととして痛感した経験があるからです。
東京都のプレコンゼミを受講して「今」でよかった
もともと私は、 「女性が自分のからだや生き方を自由に選べること」、そして「女性の声が、社会や平和づくりにきちんと反映されること」そうした価値観のもと、SRHRやWPSといったテーマに関心をもち、国内外でさまざまな活動に携わってきました。自分では、その分野における理解や意識は、人より高い方だと感じていました。
そんな私が、「プレコンゼミ」という東京都の取り組みを知ったとき、自分のからだのことを、未来のことを考えるきっかけになればいいなくらいの気持ちで受講を決めました。けれどそれは、予想以上に自分の価値観や未来を見つめ直す機会となりました。
血液検査を通してAMH(卵巣年齢の目安となる数値)を初めて測定しました。結果は、同年代の平均よりも低い数値。ショックというよりも、ただ静かに「今知れてよかった」と思いました。
この先どうするかはまだ決めていない。でも、「知らずに“もしも”が起きていたら」と思うと、今の自分にこの情報が届いたことに、心から感謝しています。

“今じゃない人”にも届いてほしい情報だから
プレコンは、“妊娠したい人”だけのものではありません。むしろ、“妊娠についてまだ考えていない人”にこそ、知っていてほしいと思っています。
年齢、パートナーの有無、ライフステージを問わず、「からだのことを“自分の人生の一部”として考えられるようになること」が、プレコンの本質です。でも現状、プレコンという言葉も概念も、まだまだ届いていません。届ける言葉も、難しい専門用語だったり、医療機関中心の情報だったり。だからこそ、「n/」では、やさしい言葉で、やわらかく、選択肢を届けることを大切にしていきます。
プレコン=選択肢の起点に
このメディアの名前「n/」には、「まだ名前のついていないあなたの選択肢に寄り添いたい」という意味を込めました。 たとえば、
「将来子どもが欲しいけど、仕事との両立が不安」
「自分の体って本当に大丈夫なの?」
「子どもを持つって、私にとってどういう意味だろう?」
そんな“まだ形にならない声”に、静かに、でも確かに、優しく応えていける場所でありたいと思っています。
プレコンを知ることは、人生のスイッチを入れることじゃない。ただ、“自分の未来に責任を持てる準備”を始めることだと思っています。誰にでも関係があることです。なぜならキャリアやライフプラン、パートナーシップ、全部がつながってるんです。

最後に
このメディアでは、専門用語を噛み砕いて、やさしい言葉で、からだ・こころ・人生まるごとに向き合える発信をしていきます。「知らなかった」から「知れてよかった」と思えるように。プレコン=難しい医療の話ではなく、“自分の人生のハンドルを自分で握る”ということだと感じています。
“からだのことを話すのって、ちょっと気まずい”
“まだ先のことを考えるのは怖い”
“正解がわからない”
ぜんぶ、わかります。
今はわからなくてもいいんです。迷っても、立ち止まっても、ぜんぶOK。だからこそ、「n/」は、正しさじゃなく、やさしさを届けるメディアでありたい。
そしてプレコンが特別な人のものではなく、「n/=私の選択肢」として広がっていくように、私も一緒に悩みながら、書いて、話して、探っていきます。