前回はプレコンセプションを「将来的な妊娠の有無にかかわらず、将来のライフイベントで自分が困らないように、今の生活・健康・働き方を前倒しで整えておくという生き方の視点」としてお伝えしました。

この考え方を“人生のリスクマネジメント”として捉えるとき、実はとても大きなヒントになるのが、「自分のリズム」を知っておくことです。

ここでいう自分のリズムというのは、主に「仕事やプライベートのできごと、心や体のコンディション」を指します。これらは、意外なくらい“波”でできています。

そしてこの波は、キャリアやライフイベントのタイミングと見事に重なったり、逆に噛み合わなかったりするため厄介です。

今日はその「リズム」と「タイミング」の話をお届けします。

■ “自分のリズム”ってなんだろう?

社会人になると、私たちは気持ちも身体もある程度「常に一定で働けるもの」としてみなされがちです。
でも実際は、そんなに単純ではありません。

たとえば、こんなことはありませんか?

● 春は気持ちが前向きになって転職したくなる
● 夏は暑さで集中力が続かず、思ったほど動けない
● 秋は落ち着いて新しいことを学びたくなる
● 冬はクリスマスの高揚感と天候のどんよりで気分の波が激しい
● 排卵や生理周期でパフォーマンスが揺れる
● 年末やGWなどの連休前後に「このままでいいのかな」と考え込む

……実は私も、驚くほどこの通りです(笑)

たった1か月、1年の間でも、季節や行事、気候、そして自分の身体のサイクルによって、
これだけ気分やパフォーマンスが揺れ動いています。つまり私たちは常に一定の状態では働き続けられるわけではありません。

でもこれ、全部まとめて“自分が持っているリズム”なんです。

誰かと比較して良し悪しを判断するものではなく、
「あ、私はこういう傾向があるんだ」という“クセのパターン”の話です。

この“パターンを知っておくこと”は、未来の自分を助けるための、とても大事な材料になります。

■ リズム × タイミング = 後のラクさが変わる

人生には、こちらの都合とは関係なくある日突然やってくる出来事がたくさんあります。

● パートナーとの関係が急に進む(逆に距離ができる)
● 会社の方針転換や異動で働き方が変わる
● 思いがけない転職のチャンス(または退職)
● 健康診断の結果にドキッとする
● パートナーや家族の体調不良で生活が一気に忙しくなる
● 親のサポート(介護)が必要になる
● 友人の結婚・妊娠など、周囲の変化に気持ちが揺さぶられる

こうした“予告なしの変化”と、
自分のリズムがズレると、突然しんどくなることがあります。

● 忙しさのピークに重い選択を迫られて疲れ果てた
● コンディションが落ちる時期と繁忙期が重なってメンタルが辛くなる
● 気持ちに余裕がない時期に人間関係や生活の変化が起きて混乱した

でも、ここで大事なのは「タイミングは選べなくても、受け止める“自分の状態”は知っておける」ということです。

■ リズムを知っているだけで“対処が変わる”

同じ出来事でも、自分のリズムを知っているかどうかで、受け止め方も動き方も変わります。

Case A:自分のリズムを知らない場合

突然の異動が決まった

「なんで今なの? 無理、キャパオーバー…」

自分のせいにしたり、パニックになりやすい。後から「もっと落ち着いて考えればよかった」と感じることもある。

Case B:自分のリズムを知っている場合

突然の異動が決まった

「今はコンディション落ちやすい時期だから、こういう決断は時間をかけて考えよう」
「ここは焦って決めると後悔するパターンだから、上司にワンクッション置く相談をしよう」
「年度末は落ち込みやすいから、こういう時に環境変化が負担に感じるのは当たり前」

“状況の受け止め方”も“対処の仕方”も大きく変わる。

変化やイベントが起こるタイミングそのものはコントロールできなかったとしても、
“そのタイミングにぶつかった自分が、どんな状態になりやすいのか”を知っておくと、迷いも自責も減ります。

これがいわゆる「リスクマネジメント」なんです。

■ キャリアにも“波”がある

自分のリズムや外からの変化が見えてくると、キャリアにも同じように“波”があることに気づきます。キャリアは決して綺麗な一直線ではありません。

キャリアにも、次のような“波”があります。

● 昇進・昇格のチャンスが巡ってくる時期
● 異動や役割変更で求められるスキルが変わる時期
● 転職したい気持ちが高まる時期
● 逆に、環境を変えたいのにうまく動けない時期
● 学びに投資したいと思う時期

これらは全部、キャリアの“波”です。

そして、
「自分の波 × キャリアの波 × 外からの予告なしの変化」
この3つがどう重なるかで、同じ出来事でも“しんどさ”や“乗り越えやすさ”は大きく変わります。

たとえば——

● 昇進のタイミングが、家庭の変化とガッツリ重なる
● 「転職したい」と前向きな気持ちになった時期に限って、仕事が繁忙期に突入する
● スキルアップの意欲が高まった時に、生活がバタバタして勉強に集中できない
● 「休みたい」と思った時に限って、職場に人手不足が起きる

こういう場面で多くの人は
「もっと早く知っていれば、構え方が違ったのに。」
と感じるのではないでしょうか。

キャリアの波を“予測する”ことはできなくても、
しかし、「自分はどんな波のときに動きたくなるのか/動かない方がいいのか」というパターンを知っていると、選択肢が減らない働き方ができるようになります。

そしてこれこそが、
“しなやかにキャリアをコントロールする”ということです。

※編集部より

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✦ 明日からできる!未来の自分をラクにするミニチェック

今回は、「整える」よりも“自分のリズムに気づく”ことがゴールです。
できるものだけで大丈夫。

最近1年を振り返って、「調子がよかった時期」と「しんどかった時期」を思い出してみよう。
(季節・仕事の状況・生活リズム、ざっくりでOK)

「この時期、私は無理しがちかも」と思い当たるタイミングを1つ書いてみよう
(年度末/連休前後/忙しい月など)

大きな決断をしたとき、その時の自分の状態(余裕・疲れ・焦り)を思い出してみよう。

分析は必要ありません。「そういえば、こういう傾向あるかも」と気づくだけで十分です。
それだけで、次に“その時”が来たときの構え方が変わります。

✦ プチQ&A

Q:リズムを意識しすぎると、動けなくなりませんか?
「今は調子が悪いから」と言い訳してしまいそうで不安です。

A:とても自然な不安です。ただ、ここでの「リズムを知る」は、動かない理由をつくることではありません。

むしろ逆で、
「今は判断が揺れやすい時期だから、即決しない」
「ここは一人で抱えず、相談する」
といった、選択肢を増やすための視点です。

無理に止まるためではなく、無理を重ねないための“調整”だと思ってください。
自分のリズムを知っている人ほど、実は必要なときに、ちゃんと動けます。

■ 次回は「ライフイベントの棚卸し」

第3回では、“人生は想定外でできている”という視点から、あなた自身のライフイベントをゆるく棚卸ししていきます。

難しい作業ではありません。
むしろ、「こんなに色んなことが起こりうるんだ」と自分を少し客観視できる、とても優しい回です。

次も楽しみにしていてください。